【PROFILE】
陸前高田市生まれ。
小中高校と陸前高田市で過ごす。
高校卒業後、上京し専門学校で経営を学び、その後、東京の飲食店に勤務。平成21年、25歳の時に陸前高田市に戻り、実家の有限会社 神田葡萄園 に入社し現在は代表を務める。

【歴史をつなぐワイン創りを】
 現在、代表を務める(有)神田葡萄園は、創業明治38年、今年で101年目を迎えます。

 同社がある米崎町はりんごの産地として知られますが、その中、葡萄を栽培し、その原料を利用した清涼飲料水や炭酸飲料水の製造、ジャムの製造販売を手がけています。

 沿岸地域での葡萄の栽培は国内でも珍しく、昨年の秋からは、自社農園で栽培された葡萄を使用したワインの製造も始めました。

 「復興の事業の一環と捉えられるところもありますが、ワインの事業は震災前から考えていました。これから創業150年、200年と続けていくためにも、しっかりとワインを作っていきたい。」と想いを語る熊谷さん。

【地元に根付いた商品を目指して】
 震災前、地元の飲食店や宿泊施設に商品を届けていた熊谷さんは、「陸前高田市では多くのお店も流され、震災から1〜2年は地元の取引が戻らないということもありましたが、最近では『また店を始めるから』と取引が再開されることも増えました。地元で長年やってきた立場からは嬉しいことです。復興という一過性のものではなく、地に足をつけて、地元に根付き定着する商品を作りたいと思っています。陸前高田市は海産物も獲れるし、合わせてワインを飲みに観光に来てもらいたい。」と話します。

 まちづくりが進む中、このワインが陸前高田市の特産になるよう期待が寄せられます。

 
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