■PROFILE
陸前高田市出身。高校卒業後、仙台の大学を経て東京で建築の仕事に従事。
東日本大震災津波発災後の2011年5月末に退職。陸前高田市へ戻り、同年9月より「桜ライン311」の活動を始める。
2012年5月に「桜ライン311」をNPOとして法人化し、現在、代表理事を務める。
【故郷の記憶と教訓を残すために】
東日本大震災津波発災後の5月、「故郷でやるべきことがあるのではないか」と考え、東京の仕事を辞め、陸前高田へ戻った岡本さん。
岡本さんが代表理事を務めるNPO法人「桜ライン311」は、陸前高田の津波到達地点に桜を植樹する事業を主軸としています。
陸前高田の津波到達地点を結ぶと、その距離およそ170 km。そのラインを示すように10m間隔に桜を植え、最終的には1万7,000本の植樹が目標。再び津波が来たときには、桜並木よりも上に避難してもらおうというものです。
「震災はどうしても風化していきますが、記憶だけに頼らず、この桜のラインを残すことで、東日本大震災津波の記憶と教訓を残したい」と岡本さん。
【時間をかけるところは時間をかけた復興を】
「陸前高田市の場合、一からまちを作り直さなければなりません。復興は速いに越したことはないですが、時間をかけるところは時間をかけていかないと良いまちにはなっていかないと思います。例えば、半年で計画して作ったまちが、住民にとって住みよいまちかというと難しい。住民中心のまちづくりが重要」と、復興への想いを語りました。