【PROFILE】
野田村出身。
久慈市の高校を卒業後、3年ほどスーパーの鮮魚部門に勤務。野田村に戻ってからは、漁協の定置網の仕事や家業のホタテの養殖に携わる。ホタテの販売が好調になった頃、東日本大震災津波が発災。津波の被害を乗り越え、事業を再開するとともに、地域ブランド確立のために力を注ぐ。
【地域ブランドに手応えを】
東日本大震災津波で、約220隻あった野田村の漁船は、2隻を残すだけの壊滅的な被害を受けましたが、震災後は、その2隻の船を共同利用し漁を再開。震災前の10分の1だった生産量も震災前とほぼ同量に回復しました。
その中安藤さんは、ほかの地域にはない良質なホタテの生産に力を注いでいます。
「平成26年、漁師、漁協、行政、産直の立場を超え、野田村の海産物のブランド化を目的に“荒海団”を結成しました。“荒海ホタテ”は野田産の稚貝だけを使い、餌となるプランクトンが豊富で潮の流れも早い外海で育てています。
出荷までに数回貝を引き上げて付着物を取り除く作業を繰り返すなど、きめ細かな生産管理を行い、甘みが濃く肉厚なホタテが好評を得ています」と安藤さんは、商品価値とブランド化に手応えを感じています。
【後継者を育てる仕組みづくりも課題】
平成29年、農林水産省の「産品を地名と結びつけ地域ブランドとする地理的表示保護制度(GI)」に登録された“岩手野田村荒海ホタテ”。
「これまで応援してくださったみなさんに恩返しの気持ちも込め、イベントへの出店など、足を運んで交流を継続し、“荒海ホタテ”を知ってもらいたいと思います。これからは生産量を増やすことと、後継者を育てる仕組みづくりが必要だと思います」と安藤さんは語ります。