第53号(平成25年12月1日)の写真

 11月27日(水)、宮古市で「宮古・下閉伊管内 復興の現場見学会(主催:岩手県)」が開催されました。

 この見学会は、東日本大震災津波で被災した現場の復興状況を住民に理解してもらうことを目的としたもの。近隣住民18名が参加し、4ヶ所の現場を見学しました。

【摂待地区(農地の災害復旧)】
 摂待(せったい)地区では、被災した面積約20ヘクタール(サッカーグラウンド28個分に相当)の農地の現状を見学。

 復旧のための区画整理を終えた農地では、震災後初の田植えが行われ、稲刈りも無事終了。地元農家も「田んぼが広くなり、働きやすくなった」と好評とのことでした。

 残りの区画整理は、平成26年度完了予定です。

【田老地区(田老漁港及び防潮堤)】
 田老(たろう)地区では、防潮堤の上から、田老漁港及び防潮堤の復興状況を見学。

 田老漁港では、津波による防波堤の倒壊、地盤沈下等に対する復旧が進められていました。

 また、甚大な被害を受けた田老地区の防潮堤(総延長2,433m)は、二重の防潮堤のうち、海側の第一線堤を、震災前の高さ海抜10mから14.7mにかさ上げ。陸側の第二線堤は、地盤沈下したものを海抜10mに原形復旧し、水門等の工事も実施予定。

 両線堤は、平成27年度末の工事完了を目指しています。

【宮古地区災害廃棄物破砕・選別処理施設】
 宮古市磯鶏(そけい)の災害廃棄物処理施設を見学。

 可燃物の処理はほぼ完了。不燃物の処理や津波による土砂の堆積物の分類の難しさが課題とのことでした。

 現在の処理進捗率は約80%。平成26年3月末の処理完了を目指しています。

【宮古港神林マリーナ】
 平成28年に開催される「いわて国体」のセーリング競技会場となる「神林(かんばやし)マリーナ」では、地盤沈下した土地のかさ上げの様子等を見学。

 現時点の工事進捗率は、約30%。県営施設の「リアスハーバー」は平成25年度内に、防潮堤は平成27年度末に完成予定。

 「いわて国体」開催へ向け、着々と復旧工事が進められている様子でした。

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『いわて復興インデックス報告書(第8回)』のデータから

 沿岸被災12市町村を中心とした県の復旧、復興の現状や、その推移を把握するためのデータを定期的に取りまとめている「いわて復興インデックス報告書」。

 今回は第8回(平成25年10月末時点)結果から、主なデータを紹介します。

【沿岸部の人口(平成25年10月1日現在)】
▶沿岸部の人口:252,780人
(平成23年3月1日現在:272,937人)


 震災前(平成23 年3月1日現在)と比較すると、20,157人(7.4%)の減少。人口減少傾向は続いているが、減少幅は震災前の水準にまで戻っている。

【がれき処理の進捗率(平成25年10月末時点)】
▶進捗率82.7%(平成25年7月末時点:62.3%)

 前回(7月末)時点より+106.8万トン増(進捗率+20.4ポイント)と、着実に処理が進んでいる。

【主要観光地入込客数(平成25年7月から9月まで)】
▶1,698,107人回(平成24年7月~9月:1,774,261人回)

 前年同期間比で4.3%減となったが、震災前との比較(平成22年同期間比)では14.9%増となっている。

詳細は<いわて復興インデックス 第8回>をご覧ください。

 

おでんそーれ沖縄デイが開催されました。

 11月22日(金)、山田町立山田南小学校の児童と、被災した子ども達を支援している沖縄県那覇市の医療機関の職員でつくるグループ 「おでんそーれ」が交流会を開催しました。  

 平成24年2月に「おでんそーれ」が沖縄戦からの復興の象徴である、“カンカラ三線(胴部分が空き缶でできている三線)”を山田南小学校に贈り、元気づけたのがきっかけで、今回で3回目の交流会となりました。

 “おでんそーれ”とは、山田町の方言で「おいでください」を意味する「おでんせ」と沖縄の方言で「おいでください」を意味する「めんそーれ」を組み合わせた造語です。互いに声を掛け合いながら、長い交流ができるようにと名付けられました。

 今回の交流会では、岩手の言葉と沖縄の言葉による宮澤賢治の詩の朗読会や、身近なもので遊ぶ楽しさを知ってもらおうと、沖縄で自生している植物の葉を使った草笛や熱帯魚づくりを行いました。

 子ども達は初めて体験する草遊びに悪戦苦闘しながらも、「作り方が難しかったけど、楽しかった」「近くにある草でも遊ぶ道具になることが分かった」など交流会を楽しんでいました。

 

八木澤商店が自社醸造のしょうゆを震災後初出荷

 11月22日(金)、陸前高田市のしょうゆ醸造会社・八木澤商店は、震災後初めて、自社工場で生産したしょうゆを出荷しました。

 八木澤商店は、東日本大震災津波で事務所・工場等を流失。被災後は、製造工程の一部を他社へ委託する等してしょうゆの醸造を行ってきました。2012年5月、新たな生産拠点として、一関市の大東町工場を着工。工場は同年10月に完成し、しょうゆの仕込みが行われていました。

 この日、大東町工場で行われた初荷式には、従業員や関係者などおよそ40人が出席。 

 八木澤商店の河野和義会長は、「ここまで来れた。感無量です」と挨拶。河野通洋(みちひろ)社長は「八木澤商店は創業から200年、地域のみなさんに育てていただいた会社です。これからも地域の希望の光となりたい。沿岸の企業の方々も、地域のために一緒に頑張っていきましょう」と意気込みを語りました。

 この日出荷されたのは、復興への願いを込めて名付けられた、初しぼりの限定品「希望の醤(ひしお)」と、同社の主力商品「丸むらさき」。県内や首都圏で販売されます。

 来春には、圧縮機の追加により、しょうゆの生産拡大と安定化が図られるとのこと。

 産業面でも本格的な復興が進んでいます。

 

「全国生涯学習ネットワークフォーラム2013」が開催されました

 11月16(土)、17(日)の両日、全国生涯学習ネットワークフォーラム2013「まなびピア2013」岩手大会(主催:同実行委員会)が、盛岡市民文化ホール及び盛岡地域交流センター「マリオス」で開かれました。

 イベントのテーマは「次世代へつなぐ学びのネットワークづくり~持続可能な地域コミュニティの再生を目指して~」。今回は、被災地の復興に関連する取組が多数紹介された16日(土)の様子をお伝えします。

 午前中には、作曲家・冨田勲氏による特別講演「イーハトーヴ交響曲に込められた賢治の思いと震災復興への思い」が開催され、「若者は、興味を持つこと、ワクワクすることが大切」と若者へエールを送りました。

 午後には、大学生らが企画し、今年9月に本県被災各地で実施した復興支援活動(フィールドワーク)の報告会が行われました。報告したのは、宮古市、山田町、大船渡市及び陸前高田市を中心に活動してきた県内外の大学生4グループ。

 被災地域の方々と一緒にペンライトで作った光のアート「PiKA PiKA」、地元の食と人がテーマの「食のこだわりマップづくり」、応急仮設住宅での秋祭りの開催や、足湯ボランティア等、それぞれが行った活動の成果と課題が発表されました。

 山田町の「食のこだわりマップづくり」に参加した東京の大学生は、「何も分からずに参加したが、山田町の方が自分を受け入れてくれたことに感謝。フィールドワークで出会った食材“アカモク”を全国に広めたい」と話していました。

 若者が中心となり、地域で活動できるプランを発信し、人々とのネットワークづくりを進めていくという、本県の復興にとっても有意義なイベントとなりました。