岩手県では、復興に取り組んでいる地域の姿を発信し、震災の風化を防ぐとともに、国内外からの復興支援に対する感謝を示すことを目的に、令和元年6月28日(金)と29日(土)の2日間、「第2回 三陸防災復興シンポジウム2019」を久慈市、野田村で開催しました。
【シンポジウム】
28日(金)、久慈市文化会館アンバーホールを会場に、“なりわいの再生と新たな三陸の創造”をテーマとしたシンポジウムが開かれ、県内外から約250名が参加しました。
シンポジウムでは、一橋大学名誉教授の関満博氏が“産業分野におけるリスクマネジメント”と題して基調講演を行い、人口減少社会における三陸沿岸地域の水産業の新たな事業展開と、地域産業から世界の市場に挑戦するための意識改革の必要性を訴えました。
このあとの事例報告では、株式会社ひろの屋代表取締役の下苧坪之典氏が、北三陸のエリア価値を高めることにより、地域の食材を世界に売り出す取組について報告しました。
続いて、久慈地域エネルギー株式会社取締役の若林治男氏が、エネルギーの地産地消を進め、収益を地域循環させることにより、持続可能な経済基盤をつくる取組を報告し、来場者が、地域産業の再生を通じた新たな三陸の姿について考える機会となりました。
【エクスカーション】
29日(土)のエクスカーションには26名が参加しました。参加者は、「久慈地下水族科学館もぐらんぴあ」で、語り部ガイドから震災当時の状況や施設再開までの道のり等についての説明を受けました。「涼海(すずみ)の丘ワイナリー」の工場見学では、野田村産の山葡萄を使った「山葡萄ワイン」の製造工程や、ワイン造りを通じて地域のなりわい再生に貢献したいというワイナリーのコンセプトなどについて学びました。