第136号(平成30年4月20日)の写真

 釜石港湾口防波堤は、東日本大震災津波により、総延長1,960メートルのうち、およそ1,540メートルが倒壊や傾斜などの大きな被害を受けましたが、平成24年2月から進められた復旧工事が完了し、平成30年3月30日(金)、報道関係者に公開されました。

 完成した同防波堤は、中央の開口部(潜堤)300メートルを大型船舶の航路として確保し、その両側に、北堤990メートルと南堤670メートルの2本の防波堤を配置したもので、総延長は1,960メートルです。海面からの高さは約6メートルで、水深は最も深い所で63メートルあり、世界最深の防波堤となります。

 復旧工事では、明治三陸地震津波を超える最大クラスの津波でも壊れにくくなるよう、基礎部分とケーソン(鉄筋コンクリート製の箱型ブロック)の間に摩擦増大マットを敷くことで、震災前より粘り強い構造になったほか、残存した部分の強度も高めました。

 同防波堤の完成で湾内の波が穏やかになり、コンテナ船への積み下ろし作業の効率化が図られ、物流拠点としてのより一層の発展が期待されます。

 

「三陸防災復興プロジェクト2019」実行委員会設立

 東日本大震災津波の風化を防ぎ、復興に取り組む地域の姿を国内外に発信するとともに、復興への支援に対する感謝を伝えるため、「三陸防災復興プロジェクト2019」を開催します。

 平成30年3月23日(金)、盛岡市内で行われた準備委員会と実行委員会の総会には、達増知事、市町村長、関係者などが出席し、基本計画を決定しました。

 同プロジェクトの開催期間は、来年6月1日(土)~8月7日(水)までの68日間。沿岸地域の13市町村がメイン会場となり、内陸の各市町村とも連携していきます。

 基本計画では、防災と復興をテーマとしたシンポジウムのほか、三陸地域の伝統芸能をはじめとする岩手の祭りを一堂に集めたイベントやコンサートなどの「さんりく音楽祭」、食をテーマに海産物を楽しむ「浜のまつり」、三陸鉄道を活用した「さんりく語り部交流列車」など、各地で様々なイベントを計画しています。

 2019年は、三陸鉄道が久慈駅から盛駅(大船渡市)までの一貫運行を開始するほか、東日本大震災津波伝承館(陸前高田市)の開館、ラグビーワールドカップ2019™(釜石市)の開催など、三陸地域が国内外から注目を集める年であり、同プロジェクトとの連動による交流人口の拡大と地域経済の活性化を目指します。

 

正式名称は「東日本大震災津波伝承館」に

 平成30年3月26日(月)、岩手県は、陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園内に整備を進めている震災津波伝承施設の正式名称を「東日本大震災津波伝承館」に決定することを発表しました。

 同施設は、国と県、陸前高田市が連携して整備を進めている復興祈念公園内に再建される道の駅「高田松原」の中に整備するもの。震災で多くの尊い命が失われた事実を伝え、命を守るための教訓を語り継ぎ、未来に伝承していくとともに、災害を乗り越え、復興に向けて力強く歩む姿を発信していきます。

 館内は「いのちを守り、海と大地と共に生きる〜二度と東日本大震災津波の悲しみを繰り返さないために〜」をテーマに、“事実を知る”、“教訓を学ぶ”、“復興を共に進める”など5つのゾーンに分けて、パネルや映像、遺物などを展示する予定です。

 岩手県は、来年9月のラグビーワールドカップ2019™️釜石開催前の開館を目指しており、現在、同施設の愛称を募集中で、今年の6月頃に決定する予定です。

津波伝承館愛称募集>http://www.pref.iwate.jp/anzen/machizukuri/38466/063848.html

 

平成29年度 第4回「いわて復興未来塾」開催

 平成30年3月17日(土)、平成29年度第4回「いわて復興未来塾」が、盛岡市で開催されました。

 同塾は、県内の産学官の連携組織「いわて未来づくり機構」が主催となり、復興について学び、人材育成と交流の促進を図ろうと平成27年から開催。今回は「交通ネットワークを生かした新たな交流の創出」をテーマに、基調報告、パネルディスカッションが行われました。

 基調報告では、北海道胆振(いぶり)総合振興局長の本間研一氏が、宮古室蘭フェリーの就航に伴なう新たな交流の可能性について報告したほか、みちのりホールディングス代表取締役グループCEOの松本順氏が、交流人口の拡大のために各種交通事業者が連携していく重要性を訴えました。

 その後のパネルディスカッションでは、本間氏、松本氏に加え、川崎近海汽船株式会社フェリー部長の岡田悦明氏、三陸鉄道株式会社代表取締役社長中村一郎氏が、新たな交通ネットワークの整備を今後の地域の振興にどのように生かしていくかについて、意見交換を行いました。

 

交流・スポーツ施設「夢アリーナたかた」が開館

 陸前高田市では、東日本大震災津波で体育館やプールなどのスポーツ施設が壊滅的な被害を受け再建が待ち望まれていましたが、平成30年3月に陸前高田市総合交流センター/陸前高田市B&G海洋センターが完成し、4月10日(火)に開館記念式典が開催されました。

 市内の高台に再建され、公募により「夢アリーナたかた」と愛称が付けられた同施設は、各種イベントやバスケットボールコート2面を確保できる多目的ホールをはじめ、柔道場、剣道場、トレーニングルーム等を備えた体育館と、25メートル6コースを有する温水プールが設置されています。

 同市では、「ノーマライゼーションという言葉のいらないまち」をコンセプトに、誰もが使いやすいようユニバーサルデザインを徹底し、多くの皆様の健康と癒しの空間として長く愛され続ける施設を目指すとしており、今後は、スポーツ振興や交流人口の拡大と地域活力の復興のための活動拠点として役立てられます。

 

野田村産「山ぶどうワイン新酒発表会」開催

 平成30年3月25日(日)、野田村産の山ぶどうを原料としたワインの新酒をお披露目する「涼海(すずみ)の丘ワイナリー新酒発表会」が、国民宿舎えぼし荘(野田村玉川)で開催され、山ぶどう生産者や関係者、一般客など約150名が参加しました。

 新酒発表会では、2017年産のワイン「紫雫(しずく)Marine Rouge(マリンルージュ)2017」のロゼと赤、同村の旧鉱山坑道で8カ月間樽詰めで貯蔵された「紫雫Marine Rouge 2016 樽熟成」の3種類が披露され、参加者らは、三陸の旬の食材と一緒にワインを楽しみ、新酒の味を確かめました。

 同ワイナリーが手がけたオリジナルワインは、非加熱醸造による山ぶどう100%の“生詰めワイン”で、果実本来の美味しさが凝縮されており、平成29年4月に販売を開始したワイン(ロゼ、赤)が完売するなど、多くのワインファンに支持されています。

 

断崖が創り出す海岸美「北山崎展望台」

「北山崎展望台」は、岩手県三陸の代表的な観光地のひとつとなっています。高さ約200メートルもの断崖が約8キロメートル続く海岸線は絶景です。

【北山崎展望台】
■アクセス■
・宮古駅―田野畑駅/約52分:三陸鉄道北リアス線
・久慈駅―田野畑駅/約50分:三陸鉄道北リアス線
→田野畑駅―北山崎展望台/約15分:タクシー

【北山崎断崖クルーズ観光船】
海から見る断崖も迫力満点。船上ではウミネコの餌付け体験もできます。
■運航期間■4月27日(金)〜11月4日(日)
■発着場所■島越港
■所用時間■約50分
■出航時間■8:40/9:35(臨時便)/10:30/12:00(臨時便)/13:30/14:30(臨時便)/15:30
■料金■大人:1,460円 小人:730円
■アクセス■島越駅(三陸鉄道北リアス線)下車 約徒歩15分
■問い合わせ■株式会社陸中たのはた 北山崎断崖クルーズ観光船発着所
TEL:0194-33-2113

 

さんりくイベント情報

【第14回地元漁師による「宿戸ウニ直売会」】
 地元漁師によるウニの直売会。本格的なシーズンを前に新鮮な殻付きウニや生ウニ、天然ホヤ、アワビなどの販売のほか、焼物コーナーやいちご煮コーナー、生ウニ丼コーナーもあり、人気のイベントです。
*8:00~開催、商品がなくなり次第終了。
開催日■5月3日(木・祝)
場所■宿戸(しゅくのへ)荷さばき施設
問い合わせ■種市南漁業協同組合宿戸実行部会
☎︎ 0194-75-3611

【碁石海岸観光まつり】
 三陸海岸の代表的な景勝地である碁石海岸で行われる、大船渡の春を告げるおまつり。炭火焼きホタテや焼きホヤなどの新鮮な海産物の焼物や「碁石海鮮鍋」などの販売のほか、郷土芸能などの披露やスタンプラリーも行われます。
開催日■5月4日(金・祝)〜5月5日(土・祝)
場所■碁石海岸レストハウス前大型車駐車場 ほか
問い合わせ■碁石海岸観光まつり実行委員会(大船渡市観光推進室内)
☎︎ 0192-27-3111

【龍泉洞まつり】
 日本三大鍾乳洞のひとつ「龍泉洞」で行われる4つの祭りのひとつです。龍泉洞の水の清らかさに感謝する安全祈願祭や、町内の代表的な郷土芸能の公演、景品つき餅まきなどが行われます。
開催日■5月4日(金・祝)〜5月5日(土・祝)
場所■龍泉洞
問い合わせ■龍泉洞事務所
☎︎ 0194-22-2566

【外国客船「スターレジェンド」寄港】
 外国客船「スターレジェンド」が今年、日本初寄港として宮古港に入港。外国客船の寄港は、平成20年の「アムステルダム」以来10年ぶりとなります。寄港中には、地元の魅力ある特産品の販売や郷土芸能の披露などのセレモニーが行われます。
開催日■5月6日(日)
場所■宮古港藤原ふ頭
問い合わせ■宮古市観光港湾課
☎︎ 0193-68-9091

【ベアレンビアフェスタ in 野田村2018】
 今年も野田村でベアレンビアフェスタが開催されます。樽生ビールのほか、野田村の山ぶどうを使った山ぶどうラードラーも楽しむことができ、フードコーナーには地元のおいしいものがたくさん並びます。
開催日■5月13日(日)
場所■村民広場特設会場(野田村役場前)
問い合わせ■株式会社ベアレン醸造所
☎︎ 019-606-0766

【鵜鳥神社例大祭】
 縁結び、安産のほか海上安全、大漁の神として信仰を集めている「鵜鳥神社」で、旧暦の4月8日に開催される例大祭。神楽殿では国指定重要無形民俗文化財の鵜鳥神楽が奉納されるほか、地元の方によるお振舞いや出店も並び、多くの人でにぎわいます。
開催日■5月22日(火)
場所■鵜鳥神社
問い合わせ■鵜鳥神社社務所
☎︎ 0194-35-2339

 

未来へのメッセージ

東日本大震災津波で甚大な被害を受けた岩手県沿岸。復興が進む中、沿岸地域には、災害に対しての多くの教訓が残されています。
将来予想される大震災。突然襲いかかる様々な災害。そんな災害に備えるために、岩手県沿岸地域から、未来のための教訓をお届けします。

元田久美子さん
宮古市田老地区
一般社団法人宮古観光文化交流協会「学ぶ防災ガイド」

【つなみてんでんこ】
 三陸沿岸には「つなみてんでんこ」という言葉があります。これは「津波が来たら、てんでん・ばらばらに逃げなさい」という意味だけでなく、自分の命は自分で守るという防災教育でもあります。
 津波による最悪の結果から免れるためにも、まずは、自分の命を守ることです。
 そのためにも、日頃から家族などで災害時の行動について話し合っておくことが大切です。

【命を守る防災意識】
 津波が迫る場面では、必ずパニック状態になります。些細なことですが、車をバックで駐車しているか、頭から駐車しているかというだけの違いでも、避難の際、車を出すのにかかる時間が異なり、結果、生死を分けることにつながります。
 また、被災し、救助が必要になった場合、声が出せなくなっているかもしれません。そのような場合でも、音と、時間帯によっては明かりで自分の生存を知らせることができるかもしれません。
 救助を求める上でも、キーホルダーなどにペンライトとホイッスルを付けておくだけで、命が救われるかもしれません。
 特別なものでなくても、普段から命を守るための防災意識を持つことが大切です。


<学ぶ防災ガイド information>

■通常コース:30分〜60分
防潮堤での説明+たろう観光ホテルでの津波ビデオ上映
■震災学習・防災エコツアー体験コース:90分〜120分
防潮堤での説明+たろう観光ホテルでの津波ビデオ上映+実際に避難道を歩く
※津波遺構「たろう観光ホテル」の見学は予約が必要です

■問い合わせ・申し込み■
一般社団法人 宮古観光文化交流協会 学ぶ防災
TEL:0193-77-3305 FAX:0193-65-7501