第132号(平成29年12月25日)の写真

 東日本大震災津波で被災した釜石市民文化会館の後継施設として整備が進められていた釜石市民ホール「TETTO(テット)」(釜石市大町)が、12月8日(金)、オープンを迎え、開館記念式典が開催されました。

 新築された建物は、地上4階、地下1階建て。天井や壁面が集成材で構成されたホールA(客席定員838名)と北側広場に面してオープンエアにもなるホールB(客席定員218名)を備え、隣接する釜石情報交流センターに通じる広場を大きなガラス屋根でつないでいるのが建築上の特徴。

 ホールの愛称「TETTO」は、775件の公募の中から選ばれた同市在住の小学生の案で、釜石と鉄のつながりを表す「鉄都」とイタリア語で屋根を意味する「tetto」の2つの意味が込められています。

 式典で野田釜石市長は「釜石市の文化芸術とにぎわい創出の新たな拠点となり、市民の居場所となる空間として、愛されることを目指します」と挨拶しました。

 

「いわて三陸復興フォーラムin東京」開催

 12月9日(土)、岩手県が主催する「いわて三陸復興フォーラムin東京」がホテル東京ガーデンパレス(東京都文京区)で開催されました。

 今年で6回目となる今回のフォーラムは「スポーツの力を復興に!東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて!」をテーマに掲げ、当日は約400名の方々が参加しました。

 開会の挨拶の後、達増知事と小池東京都知事による対談が行われ、アスリートによる復興支援活動について振り返るとともに、昨年開催された希望郷いわて国体・いわて大会の取組も参考としながら、ラグビーワールドカップ2019™や東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成などについて意見交換が行われました。

 続いて映画監督の大友啓史氏の特別講演が行われ、東京2020オリンピック・パラリンピックでは、国民一人一人が演出家として世界中から来るアスリートを応援することでそれぞれの感動を盛り上げ、そしてその感動を世界に発信していって欲しいと語りました。

 「スポーツの力と復興。私ができること」をテーマにしたパネルディスカッションでは、本県出身の伊藤ふたば選手、平野恵里子選手などをパネリストとして迎え、震災時の経験や復興支援の取組、復興五輪に向けての目標などについて話し合われました。

 また、昼食時には岩手県産米食べ比べおにぎりセットのお振る舞いのほか、東日本大震災津波に関するパネル展示、ラグビーワールドカップ2019™や県産米「金色(こんじき)の風」のPR、岩手県産品の販売が行われました。

 

「おおつち鮭まつり」2年ぶりに開催

 12月3日(日)、「おおつち鮭まつり」(主催:大槌町)が、大槌町魚市場(同町安渡)で開催され、多くの来場者でにぎわいました。

 昨年は、鮭の不漁でまつりは中止を余儀なくされましたが、今年は、新巻鮭の祖とされる大槌孫八郎政貞の没後400年にあたるため、改めて鮭にまつわる歴史や文化を振り返り、町のシンボルである「鮭」と大槌発祥の特産品である「新巻鮭」の魅力を発信しようと、会場を河川敷から魚市場に移して2年ぶりの開催となりました。

 人気の鮭つかみどりでは、参加者らが勢いよく泳ぎ回る鮭を捕まえようと懸命に追いかけ、目当ての鮭を捕まえると笑顔を見せていました。

 また、新巻鮭などの地元特産品を販売するコーナーやセリ体験、焼きたての鮭を味わえるバーベキューコーナーなども設けられ、「鮭の町大槌」を満喫する一日となりました。

 

安倍内閣総理大臣が岩手県を訪問

 東日本大震災津波の被災地視察のため、12月20日(水)に安倍内閣総理大臣が吉野復興大臣と鈴木五輪担当大臣とともに山田町、大槌町及び釜石市を訪問しました。

 山田町では、多くの町民が出迎える中、「鯨と海の科学館」を訪れ、本年7月に再開するまでのスタッフやボランティアの取組を聴きながら、世界最大級のマッコウクジラとミンククジラの骨格標本をご覧になりました。

 大槌町の県立大槌高等学校では、生徒有志による復興研究会の活動について説明を受け、被災して大変な体験をされた方々へ思いを馳せながら、復興の様子を記録に残し、将来へ引き継いでいくための活動に理解を深めました。

 最後に、釜石市の釜石地方森林組合を訪問し、地元木材と鉄を活用して開発した製品をご覧になり、「地域のなりわいとなる林業の振興に力を入れたい。国として全面的に復興を支援する」との決意を示しました。

 

「唐丹第3トンネル(仮称)」が完成

 三陸沿岸道路・吉浜釜石道路の唐丹第3トンネル(仮称)が完成し、12月5日(火)、完成式が行われました。

 吉浜釜石道路は大船渡市三陸町吉浜と釜石市甲子町を結ぶ約14kmの自動車専用道路で、釜石南IC(仮称)と釜石JCT(仮称)間に建設された同トンネルの延長は3,023m。

 釜石市と大船渡市を結ぶ国道45号線は、急カーブやアップダウン多く、これまで混雑や津波による浸水が懸念される箇所がありましたが、吉浜釜石道路(平成30年度開通予定)が開通することで、慢性的な混雑の解消や沿岸南部で唯一、救命救急医療センターが整備されている県立大船渡病院への搬送所要時間が大幅に短縮されます。同トンネルの完成は、吉浜釜石道路開通へ向けての大きな前進となりました。

 整備が進む復興道路は、沿岸地区の観光振興の後押しとなると同時に、流通の活性化による沿岸地域の産業振興にも期待が寄せられています。

 

「岩手野田村荒海ホタテ」地理的表示(GI)保護制度登録

 11月10日(金)、農林水産省が、農林水産物や食品などを「地域ブランド」として保護する地理的表示(GI)保護制度に、野田村の「岩手野田村荒海ホタテ」を追加登録したことを発表しました。

 地理的表示(GI)保護制度とは、地域で長年育まれた特別な生産方法により、高い品質や評価を獲得している農林水産物や食品を知的財産として保護するもので、基準を満たした産品は、GIマークを付けて流通できます。

 「岩手野田村荒海ホタテ」は、野田湾で生産されており、プランクトンが豊富で自由に泳ぎ回れる環境下で養殖されたもの。身が肉厚で旨味が濃く、貝柱は繊維がしっかりとして弾力があるのが特長で、貝殻表面の付着物が丁寧に除去されているため美しいと評価されました。

 本県での地理的表⽰(GI)保護制度登録は、奥州市の前沢牛に続く2例目となり、ブランド商品として知名度向上を図るとともに販路拡大に弾みがつくことが期待されます。

 

「かもめテラス」がオープン

 11月15日(水)、「かもめの玉子」で知られるさいとう製菓株式会社(大船渡市)が、JR大船渡駅周辺地区に

同社初の「菓子工房併設型旗艦店」として、三陸菓匠さいとう総本店「かもめテラス」をオープンしました。

 さいとう製菓株式会社は、東日本大震災津波で本社機能を兼ねた総本店と和菓子工場、沿岸地域の直営店5店舗を流失。その後、被災を免れた工場で菓子製造を再開し、総本店は市内の仮店舗で営業してきました。

 本設店舗としてオープンした「かもめテラス」には、人気の「かもめの玉子」を販売する三陸菓匠さいとう、洋菓子のLe Pommier(ル・ポミエ)、パン工房COCOA(ここあ)、齊藤餅屋の4ブランドが入るほか、ガラス越しに同店限定商品の「光の朝」の製造工程を見学できる「ファクトリービュー」やイートイン&カフェスペース、かもめの玉子のデコレーション体験やお菓子教室などが楽しめる「かもめキッチン」なども併設されています。

営業時間■
9:00~19:00 (元日のみ休業)
*かもめの玉子デコレーション体験(有料)
*土・日(11:00/14:00)
住所■
岩手県大船渡市大船渡町字茶屋前38-1
問い合わせ■ TEL:0120-311-514

 

さんりくイベント情報

【第30回龍泉洞みずまつり】
巫女舞、みずき行列、龍舞行列などの様々な催しが行われます。中でも、冬の寒さの中、ふんどしを締めた男性が龍泉洞の水を頭からかぶる水祓いは必見です。また、今回は第30回記念として「田沢湖龍神」が参加します。
開催日■1月7日(日)
場所■龍泉洞~うれいら通り~旧岩泉公民館跡地前
問い合わせ■同実行委員会(一社) 岩泉町観光協会内
☎ 0194-22-4755

【スネカ】
三陸町吉浜で毎年15日に行われる小正月の奇習。奇怪な面をかぶったスネカが地区の家々を回り、怠け者への戒めを行い、子供の健やかな成長と五穀豊穣、豊漁などを祈ります。平成16年には、国の重要民俗文化財に指定されました。
開催日■1月15日(月)
場所■三陸町吉浜地区
問い合わせ■大船渡市吉浜地域振興出張所
☎ 0192-45-2001

【かまいし冬の味覚まつり】
釜石市の冬の味覚と友好都市の物産品が大集合する味覚まつり。2月に花巻市で開催される「わんこそば全日本大会」の公式予選会や釜石ラーメンを完食してタイムを競う「釜石ラーメ腹ペコまつり」なども開催されます。
開催日■1月20日(土)〜21日(日)
場所■シープラザ遊
問い合わせ■釜石観光物産協会
☎ 0193-27-8172

【北三陸くじ冬の市】
11月~2月まで月に一度開催される「北三陸くじ冬の市」。三陸・久慈の新鮮な海の幸・山の幸はもちろん、里の恵みも溢れ、みんなで楽しめるイベントや郷土芸能発表などふるさとの魅力盛りだくさんの市です。
開催日■1月28日(日)
場所■やませ土風館、久慈市中心市街地周辺
問い合わせ■北三陸くじ冬の市開催実行委員会
☎ 0194-52-2123

【第1回 宮古・下閉伊冬の産直&真鱈まつり】
産直の新鮮な野菜や果実と宮古市が全国に誇る真鱈の料理などが同時に楽しめる新たなイベントです。会場となる宮古魚市場前には、約40団体のテナントが並びます。
開催日■1月28日(日)
場所■宮古市魚市場
問い合わせ■宮古・下閉伊冬の産直&真鱈まつり実行委員会
☎ 0193-64-2214

【三陸鉄道南リアス線 レトロ列車の旅「ランチ&スイーツ列車」】
年始期間限定で「ランチ&スイーツ列車」を運転。ランチやスイーツBOXなどの予約が可能です。
運転日■1/6(土)・1/7(日)・1/8(月・祝)・1/13(土)・1/14(日)
場所■三陸鉄道南リアス線
問い合わせ■三陸鉄道 釜石駅(受付時間 9:00~17:00)
☎ 0193-22-1616

 

岩手県 東日本大震災津波の記録

あの日何があったのか。今一度、沿岸市町村別に東日本大震災津波を振り返り、御紹介します。

【山田湾沿岸・中心部の被害】
 山田湾の入口は狭く円形をした内湾の形状のため、湾内に侵入した津波が長時間湾内にとどまり、波同士が反響し合って、被害を拡大させました。

 町の中心市街地である山田地区は、約8mの津波が襲い漁業施設を破壊しました。また、防潮堤が崩壊し、用途地域の約5割が浸水しました。

【広域火災の発生】
 山田町では、津波と共に山田地区、大沢地区、田の浜地区で大規模な火災が発生したほか、織笠地区でも小規模な火災が発生しました。中心市街地のJR陸中山田駅周辺は広範囲に焼失し、焼失面積は約16haにのぼりました。

 消防車が道路上に重なったがれきでほとんど動けず、また、断水もあって有効な消火活動ができない状態でした。

● 津波痕跡高
10.9m 山田湾
19.0m 船越湾
● 死者
604人(直接死)
83人 (関連死)
● 行方不明者 148人
● 家屋倒壊 3,167棟
平成29年11月30日現在