第129号(平成29年9月25日)の写真

 東日本大震災津波からの復興を支援するため、大阪府から岩手県に無償で譲渡された「ガントリークレーン」を、9月23日(土)、供用開始しました。

 ガントリークレーンは、コンテナの積み下ろしに使う大型のクレーンで、本県の港への導入は初めて。

 譲渡されたガントリークレーンは、高さ約56メートル(ブームアップ時約76メートル)、重さ約600トン。1時間に25〜40個のコンテナを運ぶことができ、現在、釜石港に設置されているクレーンの3倍以上の能力があります。

 発災以降、大阪府は府職員を本県に派遣するなど継続的な支援を行っており、今回の譲渡は、府職員の橋渡しによって実現されました。

 8月3日(木)、大阪府庁で行われた「ガントリークレーン贈呈式」では、松井大阪府知事から達増知事にキーのレプリカが贈呈され、松井大阪府知事は「東北の復興と成長に寄与できればうれしい。」とメッセージを送りました。

 釜石港では外貿ダイレクトのコンテナ定期航路の就航が今秋に予定される中、ガントリークレーン供用開始により、大型コンテナ船への荷役対応が可能となることで、本県の物流に大きな期待が寄せられています。

 

平成29年【第2回】「いわて復興ウォッチャー調査」のデータから

 岩手県では、東日本大震災津波からの復興状況を定期的に把握するため、「いわて復興ウォッチャー調査」を実施しています。
 これは、被災地域に居住又は就労している方々を対象に、半年に1回実施するものです。

 今回は、平成29年第2回(平成29年7月実施)の調査結果から、主なデータを紹介します。

【被災者の生活の回復に対する実感】
「回復」又は「やや回復」:83.5% (前回調査:78.6%)
 復興道路の完成や災害公営住宅等の入居により、生活環境が改善され、目に見えて完成イメージをつかめるようになったと評価する声がある一方、今後の地域コミュニティの活動が課題との声がありました。

【地域経済の回復に対する実感】
「回復」又は「やや回復」:62.8% (前回調査:53.6%)
 商業施設の完成により、地域経済が徐々に回復しているという声がある一方、人手不足や販路確保など、不安を訴える声がありました。

【災害に強い安全なまちづくりに対する実感】
「達成」又は「やや達成」:50.4% (前回調査:45.9%)
 防潮堤、宅地整備、復興道路の整備が進み、目に見える形での復興が着実に進んでいると評価する声がある一方、地域により進捗に差が生じているとの声がありました。また、防災意識の醸成が必要との声もありました。

 

新「大槌駅舎」総選挙でデザイン決定

 JR山田線・宮古~釜石間 (55.4キロ)は、東日本大震災津波で被災し運転を休止していますが、平成31年春、第三セクターの三陸鉄道に移管され、運転が再開される予定です。

 これに向けて、8月11日(金)から12日(土)までの2日間、再建される大槌駅駅舎のデザインを投票で決める「大槌駅デザイン総選挙」が、商業施設シーサイドタウンマスト(大槌町小鎚)で開催されました。

 このイベントは、町内外の多くの人が投票することで駅に親しみを持ってもらおうと大槌町が企画。最も支持を集めたデザイン案が新駅舎として採用されるものです。

 発表されたデザインは、大槌湾の蓬莱島(ほうらいじま)をモチーフにした「ひょうたん島」案、江戸時代の代官所をモチーフにした「代官所」案、波と日の出をイメージした「海」案の3案。投票には、1,701人が参加。お気に入りの駅舎にシールを張り投票した結果、「ひょうたん島」案が919票を集め、採用となりました。

 新駅舎は平成30年7月に着工、同年12月の完成を目指します。

 

野田中学校 校庭の復旧工事完了

 野田村立野田中学校(菊地理校長、生徒96人)の校庭には、平成23年5月、東日本大震災津波により被災した住民のための応急仮設住宅が建設され、当初は、村最大の112世帯が入居していました。

 野田中学校では校庭の使用が困難な状況が続きましたが、自力での再建や高台での災害公営住宅の造成が進んだことで、平成28年8月から校庭にある応急仮設住宅の解体・撤去が始まりました。そして平成29年8月22日(火)、校庭の復旧工事が完了し、工事関係者や工事発注者である県などによる最終確認が行われました。

 校庭の利用が再開したことで、子どもたちの教育環境が整うと同時に、復興に向けたひとつの区切りとなりました。

 

「いわて県北三大麺」商品化

 岩手県の県北に位置する普代村、軽米町、洋野町の3町村が連携して、地域の特産品のコンブ、エゴマ、ホウレンソウを原料として練り込んだ「いわて県北三大麺」を開発し、8月11日(金)から盛岡市の「Nanak(ななっく)」や「らら・いわて」などで販売を開始しました。

 これは、6次産業化を推進し、県北の地域食材のブランド化を図ることを目的に、県の「食のプロフェッショナルチームアドバイザー」である料理研究家の小野寺惠さんの監修を受け、開発・商品化されたものです。

 開発・商品化されたのは、コンブの持つ磯の香りが広がるのどごしなめらかな「ふだい昆布らーめん」エゴマの香ばしい風味とモチモチ食感の「軽米えごまめん(冷麦)」、ホウレンソウの鮮やかなグリーンの色合いと爽やかな食感の「洋野ほうれん草めん(うどん)」の3種類。

 「いわて県北三大麺」は、全国的に知名度の高い盛岡冷麺、わんこそば、盛岡じゃじゃ麺の「盛岡三大麺」に続く、新たな三大麺として期待が寄せられています。

 

被災4県産の米で日本酒「絆結」完成

 東日本大震災津波と熊本地震で被災した岩手、宮城、福島、熊本の4県産の米(ひとめぼれ)を原料に、復興への願いやこれまでの支援に対する感謝の気持ちを込めて造られた日本酒「絆結(きゆ)」が完成し、8月22日(火)から23日(水)までの2日間、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催された「2017“よい仕事おこし”フェア」(主催:城南信用金庫)でお披露目、限定販売されました。

 被災地復興応援~日本を明るく元気に~をテーマとした同フェアは、城南信用金庫(東京都品川区)が全国の信用金庫と協力し、平成24年から開催されているもので、今年で6回目。フェアの一環として行われた日本酒醸造の「興(お)こし酒プロジェクト」は、城南信用金庫が企画、4県にある15の信用金庫が協力したもの。

 福島県会津坂下町の曙酒造によって純米大吟醸酒に仕上げられた「絆結」は、各地の人々が強い絆を結んでほしいという願いと、日本酒ならではの「キュっと一杯」飲んでほしいとの思いから名付けられ、フルーティーな味わいが特徴。720ミリリットル1本2,600円(税抜き)で販売され、1本当たり200円が被災4県に寄付されます。

 

産直施設「浜の駅おもと 愛土館」オープン

 9月3日(日)、岩泉町小本地区に、産直施設「浜の駅おもと 愛土館(あいどかん)」がオープンしました。

 施設名称の由来である「あいどかん」は、方言で「一緒に行きましょう」という意味。

 直売コーナーで販売されている鮮魚は、地元の漁師や漁協の自営定置網船で獲った魚を直接持ち込むので、鮮度が抜群。

 食堂では、ドンコの肝入りたたきなど地元の食材が豊富な「龍甲海鮮丼」、ヘラガニのスープを使用し、磯の香りがただよう「小本浜ラーメン」、めかぶをトッピングした「めかぶそば」が人気。

  また、毎月最終日曜日には定期市が開催される予定で、三陸沿岸の旅の立ち寄りにオススメの施設です。

【住所】岩手県下閉伊郡岩泉町小本字小本6-25
【営業時間】
・直売コーナー:8:30~18:30
(11月~3月は17:30閉店)
・食堂コーナー:11:00~15:00
(ラストオーダー14:30)
※ 食堂コーナーの営業は、土・日・祝日・お盆
※ 平日についての予約は要相談
【問い合わせ】TEL:0194-32-3288

 

さんりくイベント情報

【第9回秋のさんてつ祭り】
今年で第9回目を迎える「秋のさんてつ祭り」。
車両基地では、各ステージイベントのほか、軌道自転車(線路の点検時に移動用として使用される自転車)の乗車体験、本物の車両を3m引っ張ってタイムを競い合う、車両綱引き大会などが行われます。
三鉄ファンだけでなく、地元の方々にもお楽しみいただけるお祭りです。
開催日■11月5日(日)
時間■10:00~15:00 ※予定
会場■久慈市川崎町・三陸鉄道北リアス線運行部車両基地など

【釜石まつり】
土曜日には、「曳き船まつり」が行われ、お召船を中心に虎舞や神楽を乗せた十数隻の船が大漁旗をなびかせて釜石港内をパレードします。また、日曜日には市内目抜き通りを虎舞や神楽、山車、手踊りのほか神輿が渡御します。
開催日■10月13日(金)〜10月15日(日)
場所■釜石市中心部、釜石港内
問い合わせ■釜石まつり実行委員会(釜石観光物産協会内) ☎ 0193-27-8172

【平庭闘牛大会もみじ場所】
東北地方で唯一開催されている闘牛大会。迫力ある闘牛を間近で見ることができ、家族でも楽しめるイベントです。豪華景品が当たる大抽選会、短角牛串焼き、久慈まめぶ汁などの販売も行われます。
開催日■10月15日(日)
場所■平庭高原闘牛場(久慈市山形町)
問い合わせ■いわて平庭高原闘牛会事務局(久慈市役所山形総合支所産業建設課内) ☎ 0194-72-2111

【全国太鼓フェスティバル】
「いのちは、鼓動からはじまる」をキャッチフレーズに、平成元年にスタート。全国の有名な伝統太鼓や創作太鼓の競演は、多くの観衆を魅了します。今では太鼓の甲子園とも呼ばれるようになった全国屈指の太鼓フェスティバルです。
開催日■10月15日(日)
場所■陸前高田市立第一中学校体育館
問い合わせ■全国太鼓フェスティバル実行委員会事務局(陸前高田市役所企画部商工観光課内) ☎ 0192-54-2111

 

岩手県 東日本大震災津波の記録

1.被害の概要
 野田村の被害の5割を占めるのは、野田漁港などで壊滅的な被害を受けた農林水産関係で、被害額は29億2,222万円にのぼります。

 それに次いで被害が大きかったのが、庁舎・村営住宅・住家等の建物被害で16億8,932万円となっています。

2.日頃からの防災意識が園児を救った
 野田村保育所は、津波によって建物が流失しましたが、園児81人と職員14人は全員無事でした。

 津波到達までの目安である15分以内に園児を避難させるのは困難と考えられ、保育所では乳児10人が乗れる手押し乳母車「避難車」を事前に購入。避難経路を見直すなど、日頃からの防災対策が犠牲者ゼロにつながりました。

● 津波痕跡高 21.4m 野田湾
● 死者 38人
● 行方不明者 0人
● 負傷者 19人
● 家屋倒壊 479棟